国際野球大会「プレミア１２」（８〜２１日）に出場している侍ジャパンが１３日、４連勝をかけて戦う１４日の米国戦（桃園）に向けて一部の選手のみで練習を行った。
　先発予定の菅野智之投手（２６）はダッシュなどで最終調整。プロ入り後初の国際大会での先発に向けて、「やれることはやりましたし、自分でどこまで出来るのかワクワクしています」と意気込んだ。

　世界デビュー戦を前に菅野の気持ちは高ぶっていた。先発する１４日の米国戦（桃園）に向け、この日はキャッチボールなどで調整。プロ初の国際大会での登板は、勝てばＢ組１位で８強入りが決まる一戦となった。「どこまでできるのかワクワクしています。とにかく勝つこと。立ち向かっていきたい」と気合をみなぎらせた。
　出し惜しみするつもりはない。３試合で２６得点と猛打の米国打線が相手だが、「最後まで投げることは頭の片隅に入れながら、初回からとにかく出し切るつもりで投げないといけない。１位で決勝トーナメントにいけたら波に乗れる」と言い切った。
　理想としてリスペクトする存在がいる。０６、０９年のＷＢＣで日本を世界一に導いたソフトバンクの松坂だ。２大会で計６戦６勝で連続ＭＶＰを獲得。菅野は「国際大会に強い印象がある。チームが勝つことを第一に考えたいです」と語る。
　今大会を弾みにして１７年ＷＢＣ、２０年東京五輪でエースに君臨していく覚悟はある。「これからも（日本代表に）選んでもらって、定着できるように、活躍できるようにしたい」と初陣をしっかり飾るつもりだ。

　東海大時代の２０１０年に大学日本代表の一員として、世界大学野球選手権に出場。キューバ戦ではデスパイネ（現ロッテ）を相手に、学生最速の１５７キロをマークするなど躍動した。「（その当時は）正直怖かったけど、どれだけ通用するのか、自分自身に期待している部分があった。当時の気持ちを思い出して頑張りたい」
　世界を相手に一回り成長した投球を披露する。

　国際大会「プレミア１２」で、巨人・菅野智之投手（２６）の決勝（２１日・東京Ｄ）先発起用プランが１５日、急浮上した。小久保裕紀監督（４４）は、本拠地のマウンドを誰よりも知る右腕の好投に期待し、世界一を託すとみられる。Ｂ組１位通過を決めている侍ジャパンはこの日、ベネズエラにサヨナラ勝ち。１次ラウンドを５戦全勝で突破し、１６日の準々決勝・プエルトリコ戦（１９時３０分・桃園）に臨む。
　世界一の座を争う東京Ｄのマウンドに、巨人のエースが上がることになりそうだ。１６日の準々決勝（桃園）には広島の前田が先発する。日本に帰って１９日に予定されている準決勝（東京Ｄ）は日本ハム・大谷が登場。そして、最後は菅野で頂点へ―という侍ジャパンの必勝ローテーションが急浮上した。
　菅野は１４日の１次ラウンド・米国戦（桃園）に先発したが、制球が定まらず４回５安打２失点で降板。チームは逆転でＢ組１位突破を決めたものの、「試合に入り込み過ぎた」と自身の侍トップチームデビュー戦を飾ることはできなかった。しかし、小久保監督の期待は、ことのほか大きいものだった。

　米国戦で指揮官は、３回での降板を迷う中、最終的には４回まで続投させている。その理由をこう明かした。「今後の球界のためにも、もう１イニングと思った。菅野は２０１７年のＷＢＣでも主力になってもらいたいピッチャー。もし、あそこ（３回）で降ろしていたら、『仕事ができなかった』という思いだけで大会が終わるかもしれない」。侍の将来をも見据えての決断だった。
　そして、東京Ｄは言わずもがなの巨人本拠地である。札幌Ｄでの開幕戦で大谷は韓国打線を６回１０奪三振と封じた。ホームで投げるアドバンテージは計り知れない。菅野にも、３６０度が声援で埋め尽くされるスタンドの“追い風”を受け快投が期待される。
　右腕にも熱い思いがある。「今年は東京ドーム最後の登板でふがいない投球だった。日本に戻ってきて良い形で締めくくれたら最高です」と明かしたのは、２日の侍ジャパン集合日だった。クライマックスシリーズ第１ステージ（Ｓ）第２戦。勝てば最終Ｓ進出を決めるマウンドで、初回に２被弾し４回ＫＯ。後味の悪さを払拭するのは、今しかない。

　準々決勝で投げる前田を中４日で投入するオプションもあるが、マエケンの投球数などを首脳陣が考慮した上で、最終決定されることになりそうだ。菅野は米国戦でプロ入り最速１５４キロをマークするなど、コンディション自体は良好。あとは結果。世界一へ、そして本当の侍の一員になるため、重責を果たすだけだ。

　２１日の決勝（東京Ｄ）に先発予定の侍ジャパンの巨人・菅野智之投手（２６）が、台湾・桃園でのブルペン投球で、プレートを踏む位置をこれまでの三塁側から一塁側に変更した。左打者への外角シュートにより角度をつけること、制球力を高めることが目的。プレートの長さ６０・９６センチの微調整を行い、世界一に導く快投をする決意だ。
　菅野はブルペンでプレートの一塁側に右足をかけて２８球。「前回、左バッターの外のシュートが決まらなかった。うまくアジャストしなかったので、今日は三塁側から一塁側で投げました」と明かした。イメージは、左投手が右打者の内角に投じるクロスファイアだ。
　前回先発した１４日の１次ラウンド・米国戦（桃園）では４回５安打２失点で勝敗付かず。プロ入り後初の国際大会登板でプロ最速１５４キロを計測したが、生命線となる左へのシュートが早めに外角にそれたことで打者に見極められ、投球が苦しくなった。一塁側から投げることで外角のコーナーに制球しやすくなり、より角度がつく利点を生かす考えだ。

　決勝の相手は、米国とメキシコの勝者。１８日に台湾から帰国し、舞台となる東京Ｄで最終調整を行う。「（決勝を）任された以上は勝たないと意味がないですし、自分自身、名誉挽回をしたい。あしたもう一度、マウンドを確認してしっかりと試合に臨みたい」。持ち前の修正能力を発揮し、世界の頂点をつかみ取る。

　巨人の菅野智之投手（２６）が１３日、成田空港から宮国椋丞投手（２３）とともに自主トレ先の米ハワイに出発した。現地滞在中には、ヤクルトの優勝旅行も予定されているとあって「横目に見ながら来年へのモチベーションにしたい。悔しさを持ちながら旅立ちます」。今年、対ヤクルト戦はクライマックスシリーズ最終Ｓの１試合を含め、５試合に登板して０勝５敗、神宮でもプロ通算０勝と相性の悪い“燕アレルギー”の払拭を誓った。
　挽回のチャンスはすぐにくる。来季の開幕カード（３月２５〜２７日・東京Ｄ）となるヤクルト戦について「今年は今年。やられたという記憶もないし、来年は違った風が吹くと思うので、自信を持って。開幕は投げるつもりでいるので」とキッパリ。早くも開幕投手としてヤクルト打線封じに意欲を燃やした。
　この日は、出発前にＧ球場でキャッチボールなどで軽めの調整。来年１月中旬に帰国予定で、現地では走り込みやウェートトレーニング、遠投も積極的に行い春季キャンプへ向けて万全の状態で臨む。「ストレートの意識を高く持って、相手を圧倒するピッチングをしたい」。Ｖ奪還へ、闘志を内に秘めて練習に打ち込む。

今年は２０勝できるかな