269 新興保守政党の明暗を分けるもの ―参政党と日本保守党の支持率動向から見る組織戦略の違い― 10/3(金) 大濱崎卓真 2020年代に入り、日本の政治シーンに相次いで登場した新興保守政党である参政党と日本保守党。両党はともに自民党などの既存政党への不満を背景に支持を集めようとしていますが、その支持率の推移には明確な違いが見られます。両党の組織戦略の違いに着目し、なぜ支持率の伸びに差が生じているのかを、分析します。 ◇地方展開戦略の決定的な違い 参政党の草の根戦略 参政党の最大の特徴は、代表自らが頻繁に地方を訪れ、街頭演説や候補者選定に直接関わっている点です。これは単なるパフォーマンスではなく、地方の有権者との直接的な接点を作る重要な戦略です。 選挙の分野において「接触仮説」と呼ばれる理論があります。これは、有権者が政治家や政党関係者と直接会って話す機会が多いほど、その政治家や政党に対して親近感を持ち、支持する可能性が高まるという考え方です。 匿名さん2025/10/07 19:065
270 >>269 例えば、街頭演説で候補者の話を直接聞いたり、握手をしたりすることで、テレビやインターネットだけでは得られない「生身の人間」としての印象を受け、信頼感が醸成されるのです。 参政党代表の地方行脚は、まさにこの理論を実践しているといえます。大都市圏だけでなく、他党があまり訪れない地方都市や農村部にも足を運ぶことで、「自分たちの声を聞いてくれる政党」というイメージを醸成しています。 日本保守党の中央集権的アプローチ 一方、日本保守党は、SNSや動画配信を中心とした情報発信に重点を置いており、地方での直接的な活動は相対的に少ない傾向があります。これは現代的なアプローチではありますが、特に高齢者層や地方在住者への浸透という点では限界があります。日本の有権者構成を考えると、インターネットだけでは届かない層が依然として大きな割合を占めているのが現実です。ネットでの勢いも、参政党と比較して優位というわけではありません。 ◇組織基盤の違いが生む持続力の差 289支部が示す参政党の組織力 参政党が全国に289の支部を展開していることは、単なる数字以上の意味を持ちます。 匿名さん2025/10/07 21:27
271 >>269 各支部が自立的に活動できる体制を整えていることは、政党の持続的な成長にとって極めて重要で、支部単位での勉強会、地域イベントへの参加、地元メディアへの露出など、きめ細かな活動が可能になります。これらの活動は、選挙の時だけでなく、日常的に有権者との接点を作り出し、政党への親近感を醸成します。 政治学では「分権的組織構造」と呼ばれるこの形態は、中央の指示を待たずに地域の実情に応じた活動ができるため、支持者の拡大に効果的です。地方議員の全くいない地域でも、草の根の活動に加えて代表がわざわざ現地入りするという戦法で、地方議員が上位当選するセオリーが完成されている事実は、参政党の原動力になっているといえます。 日本保守党の組織課題 一方、日本保守党は、カリスマ的なリーダーの存在に依存する傾向が強く、地方組織の整備が遅れています。これは新興政党によくある課題ですが、初期の勢いを持続的な支持に転換するためには、組織基盤の確立が不可欠です。特に、地方支部の不在は、選挙戦略上も大きなハンディキャップとなります。 匿名さん2025/10/07 23:50
272 >>269 愛知がわずかに組織基盤をつくる動きがありましたが、後述する内ゲバ問題から、この点の改善は遅れる見込みです。 ◇内部統治の問題が支持率に与える影響 参政党における内部対立の具体例 参政党では、過去に創設メンバー間での路線対立が表面化した経緯があります。2023年8月には、初代代表の松田学氏が辞任し、副代表だった神谷宗幣氏が新代表に就任しました。神谷氏は記者会見で、松田氏に対して党運営を巡る見解の相違から辞任を求めていたことを明らかにしました。神谷氏によれば、「次の衆院選に向けての態勢を提案したが、松田氏から『もっと運営の問題だ』と意見され、不信感を募らせた」とのことで、神谷氏自身も「私も辞任を視野に入れて活動していた」と吐露しています。 さらに、2023年11月には、党躍進に貢献した「ゴレンジャー」と呼ばれる5人のうち3人(赤尾由美氏、吉野敏明氏、武田邦彦氏)が離党または追放されました。このような創設メンバーの相次ぐ離脱は、党の求心力に影響を与えかねない事態でした。 匿名さん2025/10/08 08:41
273 >>251>>269 日本保守党の「ペットボトル事件」とその影響 日本保守党では、より感情的で劇的な内部対立が報じられています。2024年4月22日の定例記者会見>>252後、百田尚樹代表が河村たかし共同代表に対してペットボトルを投げつけたという事件が発生しました。党事情通によれば、百田氏は「俺が殴ったら死ぬぞ」と恫喝したとも報じられています。 河村氏は公開した動画で「百田尚樹代表からペットボトルを投げつけられた」と明言し、「脅迫・強要もあった」と述べ、法的対応の可能性にも言及しました。この騒動は党大会の開催を巡る意見対立が背景にあるとされています。 このような感情的な対立は、支持者の間にも亀裂を生んでいます。元大王製紙会長の井川意高氏は、「組織の幹部は他の組織を露骨に貶してはいけない」「元組織内にいた人間を批判してはいけない──そんな人間を組織に入れたという己の見識の無さを晒すことになるから」と投稿し、事実上の絶縁宣言として受け止められました。 匿名さん2025/10/08 12:09
274 >>269 感情的リーダーシップがもたらすリスク このように、党運営において内部に問題を抱えた経緯がある両党ですが、とりわけ百田代表の感情的な発信スタイルは、党の支持拡大に影を落としています。政治コミュニケーション研究が示すように、感情的なメッセージは短期的な動員には効果的でも、長期的な支持拡大には逆効果となります。特に、🔻穏健な保守層や無党派層は、物理的な暴力を伴う行動や過激な発言を嫌う傾向があり、これらの層の取り込みが困難になります。 参政党は内部対立を比較的冷静に処理し、組織の再編を通じて安定を取り戻しましたが、日本保守党はペットボトル事件に象徴されるような感情的対立が、党のイメージを大きく損なう結果となっています。 ◇支持率動向が示す組織戦略の重要性 データが物語る明暗 各種世論調査を具体的に見てみますと、参政党と日本保守党の支持率には明確な差が現れています。グリーン・シップによる政党支持率調査(2025年9月)では、参政党が13.2%に対して、日本保守党が4.4%と差は歴然としています。 匿名さん2025/10/08 12:57